2014/10/27
文/野岸 泰之 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
今乗っているバイクを手放す時、専門業者や買取りをしている販売店を通じて売却するという手があります。しかし、そこでひとつ疑問に感じるのが『買取価格の値付け』です。そもそも買取りの相場というのはどのように決まるのでしょうか?
買取りを専門に行っている全国展開する大手業者は、通常、ユーザーから買い取ったバイクを次の転売用に整備をして、『業者間専門のオークション』に出品します。このオークションは、それぞれのバイク価格の相場がおおよそ決まっていて、ユーザーに買取時に提示する値段は、それを基準にしています。
大手の買取専門業者は店頭販売を主体としないため、経費が抑えられその分が買取価格に転換されると思いがちですが、ユーザーの自宅までバイクを引き取りに来てくれるので、その分の経費が乗っていないとは言いきれません。
また、大手の買取専門業者は広告活動も積極的で、そのPR費は当然、ユーザーから買い取った価格+整備代とオークション売却価格の差額から当てられます。ですので、バイク買取りを専門にしているからといって高値で買い取ってくれるとは限りません。ただ、この手の業者は時期をみて、『買取価格アップキャンペーン』などを実施するため、それらを利用して売却をすると高値で買い取ってもらえる可能性があります。
販売だけでなく買取りも実施しているバイク販売店は、実は全国でかなりの数があります。そこにバイクを直接持ち込んで売却する、というのがもうひとつの手段です。
ユーザー持込みになるので、販売店にとって出張買取の手間と時間を省けるメリットがあり、その分が買取価格に上乗せされると考えられます。
しかし、買取りを実施している販売店も、車種によっては業者間オークションに出すので、やはりその相場を基準に価格が決定されることも少なくありません。ただし、そのお店が得意とする車両・分野のバイクは、来店するお客さんがそのバイクの中古車を求めてやってくることや、店頭での販売回転が早い車種(例えばスクーターなど)は店頭に展示しておく時間が抑えられるため、ランニングコストが抑えられ、大手の買取専門業者より高値が付く可能性はあります。販売店のキャラクターを掴むことで、有利な売却ができる可能性があるのです。
上で述べたように、業者による買取りはその業態により、それぞれ一長一短なところがあります。車種や年式、走行距離など様々な要因で実際の買取り価格は決まるので、業者間の相場というのは一応あっても、それが実際の買取りにぴたりと当てはまるわけではありません。
では、どうすればよいのか? それは、『できるだけ多くの業者と買取査定の機会をもつ』ことです。見積りはあくまでオークション相場などを参考にするとは言え、限定車や市場での流通量が実は少ないなど、個々の販売店が『買取るメリット』を感じることで高い値段がつく可能性あります。買取査定の接点が増えるほどチャンスも広がるので、一括見積りのサービスを利用して、より多くの業者に見積もってもらうことが高値に結びつけるための秘訣です。