元買取業者に聞く、バイクを少しでも高く売却するための秘訣

元買取業者に聞く、バイクを少しでも高く売却するための秘訣

2015/07/14
文／野岸 泰之　構成／バイクブロス・マガジンズ編集部

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「バイク買取のしくみはどうなっているの?」「少しでも高く買取ってもらうには?」など、バイク買取に関して疑問や知りたいことがある人も多いはず。バイクブロスでは、以前、大手買取業者に身を置いていた人物の取材に成功。元凄腕の買取マンだったX氏（仮名、現在は転職）に、業界の裏話やバイク売却の秘訣など、気になる話を根掘り葉掘り聞いちゃいました!!

少しでもバイクを高く売る、そのコツとは?

売りたい“バイクのタイプ”で業者を選ぶべし!!

─バイクを売却しようと思ったとき、みんなが一番気になるのは“どうすればバイクが高く売れるんだろう?”という点だと思うのですが…?

そうですね、まず自分の売りたいバイクが、売れ筋の人気車種なのかそうでないのか、マイナーな不人気車なのか、マニアックな車種なのか、を把握することです。それによって、どんなお店が高く買取ってくれるのかが違ってきます。

みなさんは、“買取専門店が一番高く買ってくれる”と思っていますよね。確かに、一般的なバイクやマイナーな車種の場合は買取専門店の方が、査定価格が高い場合が多いです。しかし、バイク雑誌で特集されたり、ネットで話題になるような人気車種は、買取業者でも販売店を兼ねていたり、直営ショップを持っている業者の方が、間違いなく査定価格が高いと言えます。

─それはどういうことなんですか？

買取専門の業者は、ユーザーから買取ったバイクを業者間のオークションに出して売ります。買取った値段と売った値段の差額が利益になるわけですね。それを踏まえて考えてみましょう。

わかりやすくザックリとした価格で考えると、たとえばユーザーから買い取るバイクが、店頭では60万円で並ぶ価値があるとします。そのバイクは、業者間オークションでは50万円で取引されます。そこから計算すると、買取専門業者がそのバイクをオークションに売って儲けるためには、ユーザーから40万円で買取る必要があります。

ところが同じ買取業者でも、販売店を兼ねている業者だと、オークションで50万円を出して買うことを考えれば、ユーザーから買取っても同じことですから、50万円までは出せるということになります。すでにここで、買取り額に10万円も差が出ていることになりますよね?

逆にマイナーな車種や不人気車の場合は、買取専門業者の方が査定金額高くなります。販売店を兼ねているところでは、自分の店頭にそのバイク（商品）を並べても売れ残ってしまう確率が高い。だからあまり積極的には買いたくない…。それに対して買取専門業者なら、オークションに出してしまえば安いとは言え値が付くので、不人気だから買取らない、ということはないんです

特定ジャンルの専門店なら買取業者より高い場合も!?

─他に何か高く売るための秘策はありますか?

特定のジャンルの専門店があるようなバイクは、買取業者ではなくそのショップに売った方がいいでしょうね。たとえば空冷カワサキZ系や2ストレーサーレプリカなど、プレミアがつくようなマシンは間違いなく専門店の方が高く買取ってくれるはずです。一般的な買取専門業者は、どこまで価値があるのかをわかっていない場合が多いんです。

たとえばビッグスクーターのカテゴリだと、ホンダのフュージョンはかつて人気車種だったものの現在はほとんど値が付かず、買取業者も1万円で買取ってオークションで2万円で売る、なんて場合がほとんどです。でもビッグスクーター専門店だったら、もう少し高く買取ってくれる可能性があります。買取業者へ依頼する前に、一度専門店に聞いてみることをオススメしますね。

それから登場したばかりのニューモデルや、初回の車検までの間のバイクなら、販売店へ下取りに出すよりも、買取専門店の方が査定価格が高くなります。販売店の中にはメーカーから新車を卸してもらえないショップもありますので、そういうお店はオークションで新車同様のバイクを買う場合があります。そのため、買取専門店も積極的に買取りたいんです。

─売却するマシンに合った店選び、が重要なんですね。では一括査定はあまり役立たないのでしょうか?

いいえ、決してそんなことはありません。買取業者は、一括査定のお客さんだとほかに競合がいることが分かっていますから、他店より高く買わなきゃ、という心理が働くんです。買取業者は“買取ってナンボ”の世界ですから、買取れずに空振りで帰ることだけは避けたいのです。

またユーザー側の視点で見ると、一括査定をするとさまざまなタイプの業者からアプローチが来ますから、電話で話した際などに、どこが高く買取ってくれそうだな、という推測ができるのもメリットと言えますね。

（次回、さらにディープな話につづく）