2014/12/08
文/野岸 泰之 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
バイクライフの楽しみの一つに、アフターパーツを取り付ける『カスタム』があります。種類も豊富で、自分で取り付けられるパーツも多く、カスタムしたバイクに乗ることで愛車に特別な想いを抱く人も多くいます。ただ、ある時そのバイクを売却しようとした場合、果たしてこのようなカスタムバイクは買取りしてもらえるのでしょうか?
結論から言うと、買取専門業社や買取りを実施しているバイクショップ(販売店)は、カスタムバイクの買取りを行っています。心配をすることはありません。ただ、違法改造などがあった場合は買取りを拒否されます。
買取りの時、気になるのがカスタムパーツを含む査定額ですが、その点はあまり期待しないほうがいいでしょう。一般的に、カスタムはパーツを買って手間暇かけて作業を行うので車両代+αのお金がかかっていますが、それらはあまり査定額で還元はされないのです。特に買取専門業社は、買取り後、整備をしたらすぐに業社オークションなどで販売をするので、カスタムバイクはやや敬遠される傾向があります。業社としては、ノーマルの状態に戻してオークションに出品したいのです。その理由は、本人が「いい」と思っているカスタムでも、他の人に好まれるとは限らないからです。
それでは、カスタムバイクをより良い条件で売却するにはどうしたらよいのでしょうか? それは、カスタムをした際に『ノーマルのパーツ』をしっかり手元に残しておくことです。
買取査定の際にノーマルパーツを一緒に用意しておくと、カスタムしているからといって査定額にマイナスの影響を与える可能性は減ります。またこの場合、業社はノーマルパーツを使い、バイクを元の状態に戻して転売、カスタムパーツもまた別途で転売する可能性があるので、カスタムパーツ代が査定額に上乗せされることもあるようです。したがって、カスタムした際は必ずノーマルパーツを捨てずに取っておくことが必須になります。
『カスタム』されたバイクの売却について説明しましたが、ひとつ、『カスタムの内容』も重視されるポイントです。それは、個人で取付けをしたカスタムなのか、専門店の手によるものなのか、ボルトオンのカスタムなのか、などです。
個人での取付けカスタムは、どうしてもその人の個性が強く出るので、買取り時にプラスにはたらくことは少ないのですが、専門店によるしっかりとしたカスタムであれば、買取り業社によっては査定金額がプラスになることもあります。また、バイクショップでの買取りの場合、そのお店のキャラクターとカスタムの方向性が一致すると、ショップは大きく手を加えずに販売できるので、有利になることがあります。
ボルトオンのカスタムも比較的安心です。元に戻すのは容易ですし、車体を傷めないので、ノーマルパーツさえ手元に用意してあれば、査定額に響くことはないでしょう。バイクショップへの持込査定も、やはりショップはノーマルパーツに戻してバイクは販売し、カスタムパーツは単品で販売する可能性があるので、別途パーツ分の値段がつくかもしれません。
ここまでの説明をまとめると、『カスタムバイクは買取りはしてもらえる』が、その査定額の幅やカスタムによる査定への影響は『わかりにくい』ということです。
では、最良の売却先を見つけるにはどうすればよいのか? それは、買取業者や買取りを実施しているバイクショップと多くの接点を持ち、各社に見積査定を依頼することです。
多くの業社による見積もり査定を取ることで、その中から自分のカスタムバイクにマッチした業社が見つかる可能性が拡がります。もちろんノーマルパーツを残しておくことは前提ですが、一括査定見積りができるサービスを利用することで、カスタムした甲斐に応えてくれる業社が見つかるかもしれません。
パソコンなどでの『買取一括査定依頼フォーム』の入力時、フリーワードによるコメント欄があれば、カスタムの有無や箇所、使用しているパーツなどの情報を書いておくのもよいでしょう。カスタムされていてその程度が分かれば、買取業社も見積もり査定前に価格や買取り有無の判断がしやすくなります。
また、ボルトオンではなく、車体に加工を加えたりフレームを切断したなどの大幅なカスタムバイクは、買取り価格が期待できない可能性があります。売却を考えているバイクがある場合、この点も注意してください。