2015/03/10
文/野岸 泰之 構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
バイク買取の出張査定については、「買取業者とどんなやりとりをするかわからない」、「実際に呼んでみるのは不安でなかなか頼めない」とお考えの方、案外多いのではないでしょうか? 確かに、個人でバイクを売却する経験はそう何度もあるものではないし、ましてや初めて買取りを依頼するとしたら、不安も大きいことでしょう。
そこで今回は、実際に買取業者に出張査定を依頼し、どんな流れで査定が行われるのか、レポートしてみたいと思います。
今回、買取出張査定を依頼し、取材にご協力いただいたのはテレビCMでも有名な『バイク王』さんです。バイクブロス社員H氏の愛車、ヤマハ セロー250(2011年式 走行距離約2万4,000km)を査定してもらいました。
ネットで買取査定を申し込むと電話がかかってきて、バイクについてざっと走行距離や状態を説明した後、日時や場所の打ち合わせをします。当日、待ち合わせ場所で「いったいどんな人が来るんだろう?」とドキドキしながら待っていると、現れたのはモダンなユニフォームに身を包んだ爽やかなイケメン。
「ご依頼ありがとうございます。今回買取査定を担当させていただきます、バイク王荒川店の小林と申します」
態度や言葉遣いもていねいでホッと一安心。最近の買取業者は昔とイメージが違いますね。
その後、免許証や車検証などを確認し、「盗難届が出ていないか調べます」とか「トータルで1時間ぐらい時間がかかります」という説明があり、さらに特定商取引法についての説明などを受け、同意したところでいよいよ査定がスタートです。
バイク王ではきちんとした研修とOJT(先輩に同行して実際に現場で学ぶ)をこなし、社内審査にパスした人だけが、お客様のもとで買取査定を行えるとのこと。そして単なる査定士ではなく“バイクライフプランナー”として、お客様のより良いバイクライフを提案していく、という存在を目指しているということです。
「まずはお客様ご自身にエンジンをかけていただきます」と小林さん。その後、外観ほか各部のチェックに移りますが、取り出したのは携帯電話(ちなみにガラケー)とタブレット(こちらはiPad)。真横や正面、傷などはアップにして指をさしながら、さまざまな場所の写真を携帯で撮影し、同時に状態をチェックしていきます。これらの写真は本部に送信しているのだとか。
「バイクの状態を本部と共有することで、最新の中古バイクマーケット情勢も加味しつつ、適正な買取価格がご提示できるんですよ」と小林さん。
気になるチェックポイントですが、外装、エンジン、フレーム、足回り前後、保安部品など6つのカテゴリーに分かれ、合計70項目に及ぶと言います。小林さんはそれらのポイントについて、迅速かつきっちりとチェックしては、タブレットを操作しています。項目ごとにそれぞれ点数をつけてタブレットに入力し、数値化することで客観的な評価を行なっているのだとか。買取査定もハイテク化、IT化が進んでいるんですね。
さて、一通り査定が済むと、買取価格が提示されます。そこですんなり話がまとまれば良いのですが、そうもいかないのが現実ですよね。
バイク王ではお客様の要望をできるだけ汲み取るため、“バイクを売って乗り換える”のか、乗り換えるなら“どんな車種を考えているのか”、このバイクに“どんな思い入れがあるのか”など、査定を進めながらお客様とバイクについて話し、コミュニケーションをとりながら金額だけではない“次を見据えた話”をするそうです。
「我々バイクライフプランナーに大切なのは、査定の技術はもちろんですが、お客さまと心を通わせるコミュニケーション力こそ、もっとも重要だと思っています」